『フォレスト・ガンプ/一期一会』
概要
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(原題: Forrest Gump)は、1994年に公開されたアメリカのドラマ映画。ウィンストン・グルームの小説を原作とし、ロバート・ゼメキスが監督を務めた。主演はトム・ハンクス。主人公フォレスト・ガンプの波乱万丈な人生を通じて、アメリカの歴史的な出来事や社会の変遷が描かれる。
映画は、アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞(トム・ハンクス)など6部門を受賞し、世界中で大ヒットを記録。1990年代を代表する名作の一つとなった。
あらすじ
1. 幼少期 フォレスト・ガンプは、アラバマ州グリーンボウで生まれる。知能指数が75と低く、障害を持っていたが、母親の愛情深い育て方により、普通の学校へ通うことができた。足の矯正器具を着けていたため、周囲からいじめられることが多かったが、幼馴染のジェニー・カランと深い友情を育む。
2. 青年期 フォレストは驚異的な運動能力を持っており、走ることが得意だった。高校時代にアメリカンフットボールの才能を見出され、大学に進学。その後、軍隊に入隊し、ベトナム戦争に従軍する。戦地でバッバという親友を得るが、彼は戦死。フォレストは上官のダン・テイラー中尉の命を救い、大統領から名誉勲章を受ける。
3. 戦後の人生 戦争後、フォレストは卓球の才能を発揮し、中国との親善試合にも出場。さらに、バッバとの約束を果たすため、エビ漁業を始め、大成功を収める。彼の誠実さと努力によって、事業は成長し、莫大な富を得る。
4. 愛と喪失 フォレストはジェニーへの変わらぬ愛を抱き続けるが、ジェニーは波乱の人生を歩む。ドラッグやヒッピー文化に身を投じ、フォレストの前から何度も去るが、最終的に息子のフォレスト・ジュニアの存在を明かす。ジェニーは不治の病(HIV/AIDSと推測される)により死去し、フォレストは息子と共に生きる決意を固める。
テーマ
1. 運命と偶然
フォレストは偶然の連続で成功を手にするが、彼自身は運命を受け入れ、前向きに生き続ける。
2. 歴史との交錯
フォレストはケネディ大統領、ニクソン大統領といった歴史的な人物と関わり、アメリカの重要な出来事に立ち会う。
3. 人間の価値と成功
知的障害を持つフォレストが誠実さと努力によって成功を収める姿が、社会の価値観に問いを投げかける。
4. 愛と友情
フォレストの無償の愛と、ダン中尉やバッバとの友情が物語の核となる。
評価と影響
本作は全世界で6億7千万ドルを超える興行収入を記録し、大成功を収めた。また、アメリカ国立フィルム登録簿に保存されるなど、映画史に残る作品となっている。
受賞歴
- アカデミー賞(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、視覚効果賞、編集賞)
- ゴールデングローブ賞(作品賞、監督賞、主演男優賞)
- 英国アカデミー賞(視覚効果賞)
- サターン賞(ファンタジー映画賞)
本作の名台詞「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで中身はわからない」は、映画史に残る名言となった。
まとめ
『フォレスト・ガンプ/一期一会』は、一人の純粋な男の生涯を通じて、アメリカの歴史や人生の本質を描いた名作。運命を受け入れ、愛と友情を大切にするフォレストの姿が、多くの観客の心を打ち、今もなお高い評価を受けている。
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